樹木葬は、いまお墓を新しく選ぶ人の約半数が選ぶ、いちばん人気の形式になっています(2026年調査で購入割合47.4%・出典参照)。ただ、人気と「誰にでも合う」は別の話です。この記事はあえてデメリット側から整理します。良い面はパンフレットが教えてくれるので、ここでは契約前に知っておきたい方だけを並べます。

まず前提:「樹木葬」の中身は3タイプある

デメリットの大きさはタイプでまったく違います。

タイプ費用の目安埋葬のかたち
合祀型5〜30万円程度最初から他の方と一緒に埋葬
集合型10〜60万円程度シンボルツリーは共有、遺骨は個別の袋・骨壺
個別型20〜150万円程度区画も遺骨も個別(多くは期限つき)

※レンジは業界ポータルの掲載相場に基づく目安です。平均購入価格は71.7万円(2026年調査、n=1,267)。

また、庭園型(整った霊園)・公園型・里山型(自然の山林)でも、雰囲気とお参りのしやすさが大きく変わります。

デメリット7つ

1. 「個別」でも、期限が来れば合祀される

個別型・集合型でも、十三回忌・三十三回忌などの期限後は合祀に移行する契約が多数派です。「個別の樹木葬にしたから、ずっとそのまま」と思っていると、家族が期限の通知を受けて初めて知る、ということが起きます。

2. 合祀されたら、あとから改葬できない

合祀後は特定の遺骨だけを取り出すことが物理的にできません。「やっぱり近くのお墓に移したい」が将来一切できなくなる、後戻りのきかない選択です。合祀型を選ぶ場合は、家族・親族がこの点に納得しているかが最重要です。

3. 粉骨が必要な場合がある

区画が小さい樹木葬では、遺骨を粉状にすること(粉骨)が納骨の条件になっている場合があります。粉骨に抵抗のある家族がいるなら、事前の相談が必要です。粉骨費用(1〜3万円程度)が別途かかることもあります。

4. お参りの作法に制約がある

火気厳禁でお線香が使えない、お供えは持ち帰り、お花は共用献花台のみ、区画の前まで入れない——といった制約は珍しくありません。従来の「お墓参り」を思い描いている親族ほど、見学時のギャップが大きいポイントです。

5. 天候・季節で景色が変わる

屋外なので、雨の日のお参りは大変ですし、冬は花も緑もない景色になります。里山型は特に、夏の虫や足元も含めて「自然のまま」です。パンフレットの写真はいちばん美しい季節に撮られています。できれば見学は2回、季節を変えてが理想です。

6. 継承できない(それが良さでもある)

樹木葬は基本的に代々継ぐお墓ではありません。「継ぐ人が要らない」利点の裏返しとして、あとの世代が「自分もそこに入りたい」と思っても定員で入れないことがあります。

7. 年間管理費がかかる場合がある

「樹木葬=管理費なし」と思われがちですが、それは合祀型を中心とした話です。個別型では、個別安置の期間中は年間管理費や年会費がかかる契約があります。2025年発表の消費者調査では樹木葬購入者の83.0%が「管理費なし」でしたが(n=1,475・出典参照)、裏を返せば2割近くは管理費を払っています。

契約時に確認すべき項目チェックリスト

  • 合祀への移行時期:何年後・何回忌後か。書面のどこに書いてあるか確認した
  • 改葬の可否:合祀前なら遺骨を取り出せるか。手数料はかかるか
  • 年間管理費:金額・いつまで払うか・払わなくなったらどうなるか
  • 粉骨の要否:必要な場合、費用と作業の内容
  • お参りの作法:線香・お供え・お花のルール。区画のそばまで行けるか
  • 定員と追加:何名まで入れるか。あとから家族を追加できるか・追加費用
  • 災害・改植時の扱い:木が枯れた場合・災害で損壊した場合の対応が契約書にあるか
  • 運営主体の安定性:運営は宗教法人か公益法人か。管理状態(清掃・植栽)を見学で確認した

向いている人・向かない人

向いている:継ぐ人がいない/子に負担を残したくない・自然に還るイメージに共感できる・費用を抑えたい・宗旨宗派にこだわらない

慎重に検討したい:親族に従来のお墓参りを大切にする人がいる・将来の分骨/改葬の可能性を残したい・「ずっと個別のまま」を期待している・冬や雨天でもよくお参りに行きたい

デメリットを並べましたが、どれも「知っていれば選び方で回避できる」ものがほとんどです。見学のとき、この記事のチェックリストをそのまま質問リストとして使ってください。